創業年=1860年 創業者=ジョヴァンニ・パネライ 創業地=イタリア フィレンツェ |
創業時から続く本格的なスペックは
自社製造ムーブによってさらなる高みへ
時代の最先端を進む「伝説の時計」 時計界における唯一無二の存在として、デザイン、機能ともに着実な人家を続けるイタリア発祥のブランド、パネライ。その歴史は、1860年、ジョヴァンニ・パネライがフィレンツェで開業した「パネライと経典」から始まる。同店は、輸入時計の販売や修理を行う一方、照準機など光学機器類も製作していた。第1次世界大戦時には、夜間に軍隊の大砲を発射するのに必要な発光機や計時装置、水深計など、多彩な精密機器をイタリア海軍に納品。これらの機器には、パネライが1915年に特許を取得した自発光物質「ラジオミール」が使われていた。 暗闇での作業に必要な機器の製造技術に長けたパネライは、1935年に創設されたイタリア海軍の泉水攻撃部隊のため、新たなダイバーズウォッチを製作する。当時のイタリア海軍が得意としていたのは、泉水攻撃艇S.L.Cに工作員がまたがり、敵船を爆破する奇襲作戦。そのため、懐中の暗闇でも時間を確認できる新たな防水時計はどうしても必要だったのだ。 1936年のプロトタイプを経て、世界初の軍用ダイバーズウォッチ、ラジオミール47mmが完成したのは1938年。極めて高い精度と防水性を誇ったこの時計を着用したイタリア海軍の工作員は、重要な作戦の数々を成功させた。その一方で時計が市販化されることはなく、製造も開発初期から冷戦時代までの軍用モデルに限定。パネライのぞんざいは軍事機密扱いであり、伝説の時計となる。 パネライの名が再び世に現れたのは、1993年。欧州の時計ファンの支持に応える形で市販モデルが販売されたのだ。その後、1997年にヴァンドーム(現リシュモン)ブループの加わると、グローバルな展開を開始。その第一弾となったのは、ルミノールの「ベース」と「マリーナ」だった。いずれも初代モデルを彷彿とさせるデザインでありながら、現代的に洗練されたスタイリングに、世界中のトレンドセッターが注目。瞬く間に高級時計ブランドとしての地位を確立していった。 2002年からはマニファトゥーラ(自社一貫生産)体制を整えた本社工場をヌーシャテルに建造。2005年には、初の完全自社ムーブを限定モデルに搭載して発表する。その後も着実に新作を発表し、2008年にはP.2000番台の自社製ムーブを搭載したマニファトゥーラ・コレクションが一挙に5モデルも誕生。そして2009年にもキャリバーP.9000の開発により、6本の新作を加えている。かつて伝説だったブランドは、いまや第一線で発展を続ける一大メゾンへと発展を遂げた。その実力を支えているのは、精密機器を製作していた創業時から受け継がれる優れた技術力と、素材への徹底したこだわりという、イタリアンブランドならではの職人気質にほかならない。 |
― パネライの歴史(PANERAI)―
1860 | ジョヴァンニ・パネライがイタリア・フィレンツェに時計工房を兼ねた高級時計店を開業 |
19世紀末 | イタリアでいち早く時計の通販を開始 |
1915 | 新しい蛍光物質ラジオミールの開発に成功。以前から取引のあったイタリア海軍納入業者としての地位を不動のものにする |
1938 | 歴史上初めて軍用ダイバーズの開発に成功。ロレックス製のムーブを使用し、ワイヤーループ式のベルトアタッチメントを備えたラジオミール47mが誕生した |
1940 | ワイヤーループ式をケース一体型構造に改良。蛍光物質により、暗闇でもはっきり時間を読み取ることができる技術を開発 |
1943 | マーレ・ノストゥルム・クロノグラフの開発に成功。甲板将校用に考案され、プロトタイプが開発される |
1950年代 | 新たな蛍光物質ルミノールの特許を取得 |
1956 | エジプト海軍の要請により、パネライラジオミールを開発。回転ベゼルを備え、大きくデザインが変更された |
1980 | チタン製1000m防水ダイバーズウォッチのプロトタイプを開発 |
1993 | ルミノール、ルミノール マリーナ、マーレ・ノストゥルムを初の民間市場向けとして発表 |
1997 | リシュモングループに参加することで、翌年からグローバル市場に進出する |
2002 | スイスのヌーシャテルに新工場を設立 |
2005 | 上海、ロサンゼルスに直営ブティックを開店 |
2006 | パネライ初の自社開発ムーブCal.2002搭載のルミノール1950 エイトデイズGMT発売 |
2007 | 新たに3つの自社ムーブメントを一挙に発表 |
2008 | 技術的成果が、マニファトゥーラ・コレクションの新作5本や、新ブレスとして結実 |
2009 | 新開発の自社ムーブCal.9000により、マニファトゥーラ・コレクションのラインナップがさらに充実 |