ロレックスの歴史(ROLEX) |
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オイスター、パーペチャル、デイトジャスト
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1927年、着けて海で泳げる腕時計の存在に世界が驚いた 創造的で、どの国でも発音しやすく、文字盤にデザインしやすいブランド名・・。1908年、世界市場を視野に入れてハンス・ウィルスドルフが発案した名前が「ロレックス」だった。その3年前、時計のセールスマンだった彼がロンドンで創設した時計販売会社は、やがてこのブランド名とともに世界市場を席巻することになる。 ロレックスが最初に世界に名を馳せたのは、1927年のこと。ドーバー海峡を泳ぎ切ったメルセデス・グライツ嬢が腕にしていたのが、ロレックスのオイスターウォッチだった。金属の塊をくり抜いたケースにねじ込み式の裏ブタとリューズを組み合わせ、高い防水性と耐久性を実現。海で泳げる腕時計として世界に衝撃を与えた。というのも、当時は懐中時計が中心で、誰もが腕時計の将来性に疑問を持っていた時代。当時の腕時計は埃や湿気に弱く、物理的衝撃で破損することも多かったのである。そこでウィルスドルフは、確かな耐久性と機能性を備えた実用品としての時計つくりを目指し、商品開発に着手したのだった。 オイスター成功の後も、一貫して実用時計としての機能向上を追求。1931年には全回転式ローターの自動巻き上げ機構=パーペチュアル、1945年には午前0時ごろ瞬時に日付が変わるデイトジャストと、次々に画期的機構を発表し、世界に名だたる実用時計メーカーへと成長した。1950年代からは新製品開発の猛ラッシュ。ロレックスで初めて回転ベゼルを搭載したターノグラフを皮切りに、その発展型ともいえるダイバーズウォッチ、サブマリーナーが誕生。探険家ユースとされたエクスプローラー、航空時仕様のGMTマスター、1961年にコスモグラフ デイトナと立て続けにヒット作を連発した。天文台コンクールを舞台に、オメガと熾烈な精度競争を繰り広げたのも1960年代のこと。 オイスターケースで特許を取得していることもあって、防水性で他社に負けるわけにいかないロレックスは、1960年、無謀ともいうべき実験を行った。深海潜水艇「トリエステ号」の外側に、球体ガラスを装備した特殊オイスター「ディープシー・スペシャル」を取り付け、1万916mの潜水に挑戦したのである。驚くべきことに深海探査を終えたこのオイスターは、ケースやムーブメントに何らトラブルがなかったという。サブマリーナーよりも、ひと回り分厚くて堅牢なケースを持つシードゥエラーは、1971年に誕生した。このプロユースモデルを腕に、フランスの海洋探査会社コメックスのダイバーたちが、水深326mの飽和潜水記録を樹立したのは、1975年のことだった。 2007年はミルガウスが復刻され、新シリーズのヨットマスターⅡが誕生。そしてブランド誕生100周年の2008年、シードゥエラーを一新し、「ディープシー」の名を復活させた。まるで、防水技術に関しては誰にも負けられない、と宣言するかのように。 |
― ロレックスの歴史(ROLEX)―
1905 | ロンドンのハットン・ガーデン83番地に”ウィルスドルフ&デイビス社”を設立 |
1908 | スイスのラ・ショー・ド・フォンで”ROLEX”を商標登録する |
1926 | オイスターケースの特許を取得 |
1927 | メルセデス・グライツ嬢がオイスターを腕に、ドーバー海峡を泳いで横断する |
1929 | ドクターウォッチ、プリンスを発売開始 |
1931 | 全回転式ローターを搭載した自動巻き機構パーペチュアルを開発 |
1945 | 午前0時頃、瞬時に日付が変わるデイトジャスト機構が誕生 |
1953 | 英国のエドモンド・ヒラリー郷が、エクスプローラー(Ⅰ)を腕にエベレスト登頂に成功。同年、サブマリーナーとともに発売される |
1956 | デイデイト発売 |
1957 | パイロット時計GMTマスター(Ⅰ)を発表 |
1960 | 潜水艇トリエステ号とともに特殊オイスターが深海1万916mへ。この年、創設者ハンス・ウィルスドルフ死去。享年79歳だった |
1961 | オイスターコスモグラフデイトナ発売 |
1971 | 610m防水のシードゥエラーが登場する |
1978 | ロレックス初のオイスタークオーツ誕生 |
1983 | 単独で短針が動かせるGMTマスターⅡ誕生 |
1988 | 自動巻きデイトナ、Ref.16520が登場 |
1991 | 1988年のエクスプローラーⅠ、Ref.1016の生産中止から3年後、Ref.14270が誕生 |
1992 | 新スポーツライン、ヨットマスターが登場 |
2000 | 現行デイトナ、Ref.116520が日本上陸 |
2001 | エクスプローラーⅠの新型Ref.114270登場 |
2003 | サブマリーナー50周年記念モデル発売 |
2004 | デイトジャストターノグラフ発表 |
2005 | グリーンダイアルのGMTマスター50周年記念モデルとプリンスが復活を遂げる |
2006 | グリーン針GMTのコンビ仕様が登場 |
2007 | ミルガウスが復刻。ヨットマスターⅡ誕生 |
2008 | シードゥエラーが新してディープシーに |
ゼニスの歴史(ZENITH) |
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高度な技術力から産まれた傑作エル・プリメロに
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マニュファクチュールとして世界に示してきた高い技術力 ”ゼニス”とは、時を計るのに不可欠な「天頂」を意味する。スイスのル・ロックルにあるゼニス工場は、夜になるとまさに満天の星空。その輝きのように、ゼニスは多彩で個性的なコレクションを携え、時計界の頂点を目指してきた。時計の心臓部に当たるムーブから一貫して自社で生産を手掛けるメーカーを、マニュファクチュールと呼ぶ。この一貫生産システムを築いたのは、創業者のジョルジュ・ファーブル・ジャコ。1865年、22歳の若さでスイスのル・ロックルに時計工房を設立した彼は、時計が一般の人々に普及することを予想し、いち早くこのシステムを作り上げた。大成功を収めたゼニスは世界各国に販路を広げ、数々のコンテストでも優秀な成績を残す。そして1969年、衝撃的な新製品を発表した。それが「エル・プリメロ」である。一般的にテンプの振動は高速であるほど、精度を突き詰めるのに有利といわれているが、エル・プリメロは毎時3万6000振動に到達。7年あまりの歳月をかけて、耐久性の問題もクリアした。エスペラント語で、”ナンバー1”を意味するこのエル・プリメロで、不動の名声を手にしたのである。 1970年代半ば、クオーツの台頭を受けて一度は生産中止となったが、1980年代に機械式時計が見直されると、この名機も復活。以後、ゼニスはエル・プリメロを軸に次々と傑作を発表する。大きな転換期を迎えたのは、20世紀に入ってからのこと。LVMHグループへの移行に合わせて、ラインナップ全体に高級化が図られたのだ。エル・プリメロ自体のバリエも増え、ティエリー・ナタフCEOの手腕も冴え渡った。徹底的にデザイン性と仕上げを追求した結果、たとえばクロノマスターには5000もの工程が必要となり、20人の職人で9か月かかるという。手作業で取り付けたインデックスや、丁寧に面取りした日付表示などの小窓を見れば、熟練職人がいかに細部まで完璧を期しているか、作り手の熱い思いが伝わってくるはずだ。新生ゼニスはこれまで同様のパワフルなムーブに加え、”高品位”という新たな強みも手に入れたのである。 シースルーバックだけでなく、腕に着けたまま文字盤からも毎時3万6000振動のテンプの動きを楽しめる”オープン”の世界的な成功に続いて、2006年には究極のスポーツライン”デファイ”を発表。グラマラスなボディに、スクリューヘッドの回転ベゼル、力強いブレスと相まって、強烈な存在感を発揮する。それでいてエレガントさも忘れてはいない。2008年にはシックなブルーを基調とした新ライン ”シー”を発表してデファイのモダンな一面を押し進める一方、ムーンフェイズ搭載モデルやニューヴィンテージ1955などの秀作による”回帰”の動きも目立つ。「天頂」を目指してきた140年を超える歴史と、持ち前の繊細なエレガンスが、ゼニスの魅力を大きくまた一歩、前へ押し出した。 |
― ゼニスの歴史(ZENITH)―
1865 | ジョルジュ・ファーブル・ファコがスイスのル・ロックルに前身のマニュファクチュール・ド・モントル社を設立。現在も同地で操業 |
1875 | ゼニスの工房が、ル・ロックル人工の3分の1を雇うほどに成長。懐中時計、振り子時計、天体振り子時計、船舶計器を製造 |
1896 | スイス国内博覧会で金メダル受賞 |
1900 | 新型リューズ巻きムーブ、ゼニスを開発。同年、フランスのパリで開催された万国博覧会で同社の懐中時計が金賞を受賞 |
1911 | 社名をファブリック・デ・モントル・ゼニス社に変更。創業者ジャコが夜の散歩中に天空を見つめながら、時を計るのに不可能なもの「天頂(=ゼニス)」をブランドの象徴にした |
1920 | 200万個もの時計を製造。以後、ジュネーブ、モスクワ、パリ、ウィーン、ニューヨークに次々と支店を構えていった |
1945 | ヌシャテル天文台のコンテストでキャリバー135が精度記録を塗り替える |
1948 | ゼニス初の自動巻きムーブメントを開発 |
1969 | 自動巻きクロノグラフ・ムーブメント、エル・プリメロ開発 |
1970年代 | クオーツ台頭で、エル・プリメロが生産中止 |
1981 | エル・プリメロの生産が再開される |
1986 | エル・プリメロ搭載モデルが発表される |
1994 | 薄型の自動巻きムーブメント、エリート誕生 |
1997 | フランス空軍の協力により、レインボー・フライバックが開発される |
1999 | LVMHグループに加わる |
2003 | 文字盤からエル・プリメロの動きが見られるグランド クロノマスターーXXT・オープンを発表。世界的な人気を獲得する |
2004 | オープンにスモールサイズ、トゥールビヨン、レディス版が加わり、ラインナップを強化 |
2006 | スポーティシックな新ライン、デッファイ誕生 |
2008 | デファイ、オープンほか多数の新バリエ発表 |
ボーム&メルシエの歴史(BAUME&MERCIER) |
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時計界4番目に長い歴史を受け継ぎ 最高品質の時計を作り続けて180年
― ボーム&メルシエの歴史(BAUME&MERCIER)―
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