自動巻き機構はムーブメントの表側(輪列の側)に取り付けられています。これは切り替え車式の自動巻き機構の部品構成図で、ローターの中心部にはスムーズな動きには欠かせないボールペアリングが組み込まれてます。自動巻き関係の部品は、基本的に後付されていると考えるのがよいでしょう。
① ローター(回転錘) (rotor)
手でリューズを巻き上げる代わりに、腕の動きでローターを動かしてゼンマイを巻き上げます。エネルギーを蓄えるため両方向回転式の錘です。
② 伝え車
ローターカナと噛み合って自動巻き機構に巻き上げの回転力を伝える歯車です。
③ 自動巻き伝え受け
上下で自動巻き機構を組み込み、ベアリングを介してローターと組み合わされています。
④ 減速車中間車 (intermediate reduction wheel and pinion)
伝え車と減速車の間に入る歯車です。伝え車からの回転はここでも減速されます。
⑤ 減速車 (reduction wheel and pinion)
ゼンマイを回すために、ローターからの回転力を減速してトルクを上げている歯車です。
⑥ 伝え車中間車
伝え車からの回転力を受けるもう一つの歯車です。減速車中間車と逆方向の力を伝えます。
⑦ 切り替え車
伝え車中間車から受けた回転を逆方向にして、減速車に伝えるための歯車です。
⑧ 自動巻き伝え受け(下側)
上側の受けと合わせて自動巻機構の歯車を支えている受けです。
⑨ 規制レバー (train wheel setting lever)
リューズを引いたときに、時計機構を停止させるレバーです。
⑩ 地板
これは基本的な時計機構が組み込まれた状態です。自動巻き機構はその上に付きます。