時計のパーツ◆カレンダー◆

◆カレンダー◆ シンプルなタイプから複雑機構まで

  カレンダーが付いている腕時計は、日常生活ではふいにありがたい存在です。機械式腕時計のカレンダーは日付表示(デイト)が基本。ただし、多くのモデルでは、月末の日付調整が必須です。
  一方、機械式時計の一つの醍醐味である複雑系の機構においては、日付調整の頻度を減らす目的の発明が多いです。その極致が、永久カレンダーです。月の大小はもちろん、閏年も機械的に判定し、最低100年は調整が不要。中には、「00」でおわる年は閏年でないことも判別し、400年以上調整不要なものもあります。まさに、機械式腕時計の機構の奥深さを感じさせるパーツです。

カレンダー・デイト(小窓) 【デイト(小窓)】
日付を表示するオーソドックスなスタイル。インデックスを印字したリングが、窓の下で回転。通常は3時位置に配されることが多い。拡大レンズが付くこともある。
カレンダー・デイト(インダイヤル)" 【デイト(インダイヤル)】
インダイヤルにインデックスを配し、小針がそれを指すことで日付を表示する。表示リングを必要としないため、小窓方式より表示機構が省スペースですむ。
カレンダー・ポインターデイト 【ポインターデイト】
日付表示の針を、時刻表示用の針と同軸のセンターに配置。日付インデックスは、時刻用のインデックスより内または外に配され、指針は1ヶ月かけて文字盤を一周。
カレンダー・デイデイト" 【デイデイト】
3時位置の小窓に、曜日(デイ)と日付(デイト)を並べて表示する。省スペースのために、曜日は表示リングを小型にし、3文字の略号で表示する。
カレンダー・デイデイト(フルスペル) 【デイデイト(フルスペル)】
普通のデイデイトは省スペースのために略号で曜日を示すが、このタイプは大型のリングを用い、フルスペルで表示。この場合、12時位置に扇形の表示窓を設ける。
カレンダー・ビッグデイト 【ビッグデイト】
日付の10の位と1の位を別個のディスクを用いて表示する。そのため、機構は複雑化するが、視認性が高い大振りなインデックスを用いることが出来る。
カレンダー・トリプルカレンダー 【トリプルカレンダー】
日付、曜日、月の3つの暦を表示。曜日、月は小型のリングに略号を印字し、小窓に表示するのが一般的。ムーンフェイズを加えて「フルカレンダー」と称することも。
カレンダー・ムーンフェイズ 【ムーンフェイズ】
約29.5日を1周期とする月の満ち欠けを表示。永久カレンダーと連動して高精度を実現するのもある。月の描写も、写真のようにリアリティを追及するものが増えた。
カレンダー・デイトマンス 【デイトマンス】
曜日に替えて、月(マンス)を日付と同時表示するカレンダーで、近年、採用例が増えている。デイデイトと同様、3時位置の小窓に、月の略号と日付を表示する。
カレンダー・年次カレンダー 【年次カレンダー】
一見すると普通のトリプルカレンダーもしくはフルカレンダーだが、2月末~3月1日以外のカレンダー調整が不要。高度かつ実用的なセミコンプリケーション。
カレンダー・セミ永久カレンダー 【セミ永久カレンダー】
トリプルカレンダーもしくはフルカレンダーに閏年表示を追加し、閏年の2月末~3月1日以外のカレンダー調整が不要。4年に1度の調整のみですむ、超便利機構。
カレンダー・永久カレンダー 【永久カレンダー】
トリプルカレンダーないしフルカレンダーに、年、閏年などの表示を加え、100年単位で調整を不要とする複雑機構。西暦4ケタ表示で、数百年調整不要のものも。